40坪ほどの敷地は変形しているうえ、
1.5mほどの高低差がある。
この敷地正面の道路反対側には鉄道の線路が走り、
視覚的には奥行がある。
最初に敷地を訪れた時、
狭いながらも「透明感」を感じる敷地
という印象を受けた。
敷地に寄り添うよう
「く」の字に折れ曲がった間口2間の平面が
立ち上がったヴォリュームに4つのキューブを差し込む。
差し込まれたキューブは寝室や浴室、
外部テラスなどのプライベートな機能を持ち、
キューブを刳り貫かれたヴォリュームには
洞窟のような空間が残される。
内部は住み手のアクティビティを誘発する
舞台のような空間となり、
外部は大小の正方形の開口と機能によって
所々設えられた開閉式の雨戸が
祭礼的な雰囲気すら漂わせる。
前面道路から敷地奥側の線路へと
透明感のある軸線に直交して建ち、
洞窟のような空間を内包するこの建築は、
「透明な地形」と名付けられた。
第44回中部建築賞
第20回愛知まちなみ建築賞
新建築住宅特集 2014年2月号掲載
design term : 2010.09-2011.04
construction term : 2011.07-2012.02
site area : 131.52m2
total floor area : 97.86m2